2017年1月29日日曜日

リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムのことは嫌いにならないでください―井上達夫

色々と示唆に富んだ本だった。
内容も、もっとメタ的に、学者の社会における存在についても。
この本で受けた知的刺激を咀嚼して消化、吸収するのにはしばらく時間がかかりそうなので、ゆっくりと寝かしつつ向き合っていこうと思う。

ただ、御厨貴にしても井上達夫にしても、理性的なはずの学者が安倍政権による日本の右傾化、などと朝日新聞や海外リベラル紙のプロパガンダのようなことを、真面目な顔をして不安を煽る言葉を口にするのは違和感がぬぐえない。
左傾化のときには取り立てて不安を口にしていなかったように思うが、なぜ殊更に右傾化を騒ぎ立てるのか、そもそも右傾化しているのかという議論はとりあえずスキップして、ここの心情がいまひとつ理解できないので彼らに共感することが難しい。
世界情勢を見れば安倍政権がいかに右傾化したところで、すぐに戦争に突入するはずもなく、一体何を恐れ、何と戦っているのか、滑稽な独り相撲に見えてしまう。
こういうことを口にしていると、そのうち私も右翼扱いされてしまうのだろうか。

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