2017年2月12日日曜日

世襲と信仰の自由

さる女優・声優が新興宗教への帰依の事実を公表するとともに芸能界引退の意思を明かした。

色々と法的にも社会的、経済的にも問題がある軽率なふるまいに見えるが、それは脇に置いて。
親が宗教にはまったがために子供が当然にその宗教に入信するという構造に、子供の信仰の自由は存在するのだろうか。
信仰の自由というと、権力からの自由、弾圧されずに信仰を守られる自由に力点が置かれてきたように思うが、信仰の自由が一番侵害されているのは、侵害とも気づかずにひとつの信仰を強要されている宗教の世襲客体、親の信仰を当然のものとして押し付けられる子供なのではないかと思った。

これは何も宗教に限った構造ではない。
家庭教育の方針はすべて両親に一任されており、学校教育は教師に一任されている。
そこでの方針に子供が逆らおうとすれば摩擦が生じ、一般的には権力者である親や教師のいいようにあしらわれるか罰せられる。
子供の価値観は大人たちに従属せざるを得ない構造がある。
これが強固であれば子供は抑圧され、脆弱であれば子供の叛逆が生じる。

だから何、という話でもないのだが、子供とは不自由な自由が過剰な存在だと思った。

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